障害者雇用を進める中で、「社員の勤怠が不安定で困っている」「職場でトラブルが起きてしまった」「せっかく採用したのに、すぐに辞めてしまう」といったお悩みを、社内だけで抱え込んでいませんか?
障害者雇用における離職や休職は、企業にとっても、そして何よりもご本人にとっても、大きな負担になってしまいます。
障害のある社員が安心して長く働ける職場を作るには、社内の努力だけでは難しいこともあります。
そんな時こそ、外部の専門機関の力を借りることが、実は一番の近道なんです。
この記事では、企業が今すぐ頼れる公的・民間の相談先と、外部相談・支援をうまく活用するコツをご紹介します。
「どこに相談すればいいか分からない」「まずは何から始めればいい?」と感じている人事担当者の方や、障害のある社員の受け入れ部門の担当者(上司・先輩社員)の方へ、具体的な一歩を踏み出すための情報をお届けします。
このページの目次
1、なぜ外部相談がカギとなるのか?
2、もう一人で悩まない!障害者雇用の企業の主な相談先【外部専門機関マップ】
<公的な相談先>
(1) 障害者就業・生活支援センター (通称:なかぽつ)
(2) 地域障害者職業センター
<民間サービス>
(1) 産業医・精神科医・心療内科医
(2) 障害者雇用コンサルティング会社
3、相談の効果を最大化する!専門機関へ相談する前の「準備」と「ルール」
・相談前に準備しておきたい3つのポイント
・相談のルール・信頼関係を築くための3つの約束
・相談後のフォローアップ:実行と検証
4、まとめ:ひとりで抱え込まず、安定就労・戦力化の実現のために、専門機関へのご相談をおススメします!
1. なぜ外部相談がカギとなるのか?
人事・障害者雇用の担当者の方が一人で悩みを抱えがちな障害者雇用に関する課題ですが、外部の専門機関に相談することには、以下のような大きなメリットがあります。
- 客観的な視点と専門知識: 組織内部では気づきにくい問題点や、法制度・支援制度に関する最新情報、障害特性に応じた具体的なアドバイスなど、専門家ならではの視点と知識を得られます。
特に、社員の勤怠が不安定になったり、職場でトラブルが起きてしまったりした時、社内だけで抱え込むと、つい感情的になってしまったり、どうすればいいか分からなくなったりしがちです。
そんな時こそ、第三者である専門家が客観的な視点でアドバイスをくれるので、冷静に、そして適切な解決策を見つけることができます。 - 課題解決のスピードアップ: 専門機関には、数多くの企業の課題を解決してきた経験とノウハウがあります。自社だけであれこれ試行錯誤するよりも、プロの力を借りた方が、ずっと早く問題が解決するでしょう。
- 担当者の心理的負担の軽減: 一人で悩みを抱え込むことなく、専門家と情報を共有することで、担当者の心理的な負担が軽減され、より前向きに課題に取り組めます。
- 新たなネットワークの構築: 相談を通じて、他の企業や支援機関との連携が生まれ、より広範なサポート体制を築くきっかけとなることもあります。
2. もう一人で悩まない!障害者雇用の企業の主な相談先
【外部専門機関マップ】
障害者雇用の相談先は、大きく分けて「公的機関」と「民間サービス」の2種類があります。
それぞれの特徴を理解し、自社の状況に合わせて使い分けることが重要です。
公的な相談先
(1) 障害者就業・生活支援センター (通称:なかぽつ)
- 概要: 障害者の就労自立と雇用の安定を目的とし、就業と生活の両面から支援を行う全国的な支援機関です(令和7年6月2日時点で全国339箇所)。雇用、保健、福祉、教育などの関係機関と連携し、地域に根ざしたサポートを提供しています。
- 相談できる内容:
- 就職活動や職場定着に関する相談
- 具体例: 例えば、週3日勤務で始めた社員の勤怠が安定せず悩んでいた企業が、なかぽつに相談したところ、体調管理のアドバイスや通勤経路の工夫をサポートしてもらい、最終的に週5日勤務に移行できた事例などがあります。
- 日常生活の課題(就業に影響する問題など)
- 雇用促進・職業生活の安定に関する相談全般
- 就職活動や職場定着に関する相談
- 特徴:
- 就業面と生活面を一体的に支援
- 多機関と連携し、地域で支援を実施
- 障害者の長期的な雇用と職業安定を支援目標とする
(2) 地域障害者職業センター
- 概要: 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営する専門機関で、障害者への職業リハビリテーションや企業支援を実施。
- 相談できる内容:
- 障害のある社員の職業評価・就労支援計画の作成
- 職場適応に関する支援(トラブルの予防・対応含む)
- 具体例: 例えば、業務指示の認識齟齬から同僚とのトラブルが増えていた社員に対し、ジョブコーチが間に入り、具体的な指示の出し方や報連相のルールを企業と一緒に見直すことで、円滑なコミュニケーションが実現した事例などがあります。
- ジョブコーチによる現場支援
- 職場環境の改善に関する助言
- 特徴:
- 専門的な職業リハビリテーションを提供
- 職場定着や適応に課題があるケースに特に有効
民間サービス
(1) 産業医・精神科医・心療内科医
- 概要: 精神疾患のある社員や、休職・復職を検討している社員に対し、医学的な立場から専門的アドバイスを行う医療の専門家。
- 相談できる内容:
- 診断に基づく配慮事項の助言(勤怠・ストレス対応など)
- 休職中の過ごし方や復職可否の判断
- 就業上の制限・配慮に関する意見書作成
- 服薬・生活リズムに関する助言
- 特徴:
- 医学的見地に基づく対応が可能
- 精神障害のある社員の雇用管理において重要な役割
(2) 障害者雇用コンサルティング会社(下記は、株式会社Kaienの場合)
- 概要: 障害者雇用に特化したコンサルティングサービスを提供している企業です。
- 相談できる内容:
- 採用計画の立案から定着支援まで、一貫したサポート
- 法定雇用率達成に向けた戦略策定
- 職場環境の整備、ユニバーサルデザイン導入支援
- 管理職・社員向け研修の実施(トラブル防止のためのコミュニケーション研修など)
- 助成金申請サポート
- 特徴:障害者雇用の専門家が、御社の「雇用安定」と「戦力化」を伴走します。
3. 相談の効果を最大化する!専門機関へ相談する前の「準備」と「ルール」
相談先をうまく活用するためには、企業側の準備と心構えが重要です。
相談前に準備しておきたい3つのポイント
- 現状の整理: 障害のある社員の業務内容や勤怠状況(遅刻・欠勤など)、発生しているトラブルの具体的な内容を把握・整理しましょう。
例えば、遅刻が多い社員がいるなら、何曜日の何時に遅刻が多いか、その時の体調はどうか、といった具体的なデータをメモしておきましょう。 - 課題の明確化: 「勤怠の安定化」「人間関係の改善」など、具体的な課題を言語化しておくことで、相談がスムーズになります。
- 目的意識の共有: 「何を解決したいのか」「どんなアドバイスがほしいのか」を明確にして相談に臨みましょう。
相談のルール・信頼関係を築くための3つの約束
- 本人抜きで進めない: 社員のデリケートな情報に関わるため、必ず本人の同意を得てから相談しましょう。
プライバシーを守り、社員との信頼関係を壊さないことが何よりも大切です。 - 正直に伝える: 過去のトラブルや現場の悩みも含め、正確な情報を共有することで、適切な支援につながります。
- 支援機関はパートナー: 相談は、ただアドバイスを待つだけではなく、私たち企業側も積極的に動くことが重要です。
支援機関はあくまでパートナー。一緒に知恵を出し合い、課題解決に向けて協力する姿勢が、成功の鍵になります。
相談後のフォローアップ:実行と検証
- 実行計画の策定: 相談で得たアドバイスをもとに、具体的な実行計画を立てましょう。
- 効果測定と検証: 実行した内容がどのような効果をもたらしたか、定期的に振り返り、必要に応じて計画を見直しましょう。
- 継続的な関係構築: 一度きりの相談で終わらせず、必要に応じて継続的に相談できる関係を築くことで、長期的なサポートが得られます。
4. まとめ:ひとりで抱え込まず、安定就労・戦力化の実現のために、専門機関へのご相談をおススメします!
今回ご紹介した相談先や活用ポイントを参考に、外部の力を借りることで、より良い職場環境を構築し、障害のある社員の皆さんが安心して長く働き続けられる企業を目指しませんか。障害者雇用の担当者がお一人で抱え込むケースもよくあります。
障害者雇用における勤怠の課題、職場でのトラブル、そして定着の悩みを解決するためには、企業が単独で抱え込むのではなく、積極的に外部の専門機関に相談し、その知見やサポートを最大限に活用することが不可欠です。
障害者雇用のことでお困りの際は、お気軽に Kaien にお問い合わせください。(株)Kaienでは、上記の「人事担当者様、障害者雇用管理者の方の課題解決」を含め、精神障害者雇用についての総合的なサービスを展開しています。
『もう一人で悩まない』、第一歩を踏み出しませんか? まずは無料相談で、あなたの会社の状況をお聞かせください!
ご相談は無料です、まずは気軽にご連絡ください
障害者雇用に関するお役立ち情報や、最新の成功事例をメルマガでお届け!