障害者雇用における発達障害人材の特徴

企業様が障害者雇用に取り組むうえで、自社にマッチした人材を採用することが重要です。特にこれから新たに障害者雇用をすすめる担当者様においては、身体障害・知的障害・精神障害・発達障害*の4障害区分のうち、採用の対象としてどの障害区分に特に力を入れて雇用をすすめるべきなのかについて、お考えになられることかと存じます。

本記事では、主に障害者雇用のご担当者様に向け、雇用の対象として発達障害が他の障害区分と比較してどのような特徴があるかを解説します。

他の障害区分と比較した際の発達障害の特徴

他の障害区分と比較して発達障害にはどのような特徴があるのか。雇用する側の視点から、以下の4点にまとめました。

1.雇用するうえでの採用競争が少ない

特に精神・発達障害の方を雇用したご経験をまだ持たない企業様のなかには、「身体障害者を積極的に採用したい」とお考えの企業様も多いでしょう。しかし、企業からの採用ニーズの大きさに比べて、はたらける身体障害者の人数はそう多くありません。

労働年齢層では精神・発達障害が最も人数が多い

全年齢でもっとも人数が多いのは身体障害者のある方ですが、18歳から64歳までの労働年齢に限ってみると、身体障害の方の人数は、精神・発達障害のある方の約半分しかいません。そのため、身体障害者の雇用は非常に採用競争の高倍率で、働き盛りの年齢層の身体障害を新たに雇い入れることができているのはごく一部の有名大企業に限られているのが現状です。また、民間エージェントを介した人材紹介の手数料は高額で、採用には大きな金銭的なコストをかける必要があります。

障害区分主な採用手段採用母集団の人数一般的な採用コスト
精神・発達障害ハローワーク・民間エージェント多い0円~35万円
身体障害民間エージェント少ない約100万円(理論年収の30%)
知的障害特別支援学校などからの紹介とても少ない0円

2.雇用が安定しており、1社に長く勤める人が多い

発達障害は4障害区分の中でもっとも職場定着率が高いということが、公的機関の調査結果で報告されています。身体障害や知的障害のほうが一般的に雇用が安定している印象が強いので、この調査結果を意外に感じられた方も多いのではないでしょうか。

同調査では発達障害者の雇用が安定している理由について明確な回答はなされていませんが、発達障害者の雇用は他の障害に比べて種々の職場定着にかかる支援の有効性が高い可能性が示唆されています。つまり、発達障害者は雇用する側が適切な配慮をしさえすれば、安定就労する可能性が高い、ということがいえるでしょう。

発達障害者の1年後の職場定着率は79.5%で、4障害のなかで最も定着率が高い

3.人によって必要な配慮が千差万別

「発達障害」とは、先天的な脳機能障害の総称です。ひとことに発達障害といっても、そのタイプによって様々な診断名があり、雇用する上で配慮すべきことは人によって様々です。また、中には複数の種類の発達障害や知的障害をあわせもっておられる方もいます。

また、同じ診断名であっても、人により表れる特徴が大きく異なることがあります。具体例でいうと、コミュニケーションに障害が出るといわれている「ASD(自閉スペクトラム症)」の診断を受けているAさんとBさんがいたとして、Aさんは多弁でしゃべりすぎてしまう傾向があり、かたやBさんは寡黙で言葉が少ない、などです。

選考するうえで、医師からどのような診断があったかを把握することは大事な確認事項の一つです。しかし診断名などで判断し、こういう配慮が必要だろうと安易に判断するのは禁物です。発達障害は、より一人ひとりに向き合い配慮事項のすり合わせや障害理解が、特に必要となる障害区分なのです。

4.ハード面ではなく、ソフト面の配慮を必要としている

身体障害のある方が、建屋や備品など物理的なハード面に対して配慮を必要としているのに対し、発達障害のある方は業務上のコミュニケーションや、仕事内容の調整など、ソフト面での配慮を必要とする方が多いことも、特徴の一つです。

発達障害者の雇用現場でよくみられる配慮事項
発達障害者のある方が重視している配慮事項はソフト面での配慮が多い

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*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます


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