もにす認定制度徹底解説(中小企業・特例子会社向け)

障害者雇用に対する会社のモチベーションの源泉はさまざまですが、特にグローバル企業では、取引先選定にダイバーシティーの推進度合いを確認することもはじまっています。本日は、先日のセミナー中に人事担当者様から「法定雇用率の達成だけが目標にならないようにしたいのだけど、どう目標を持てばよいか」というご相談でご紹介した「もにす認定制度」について解説していきます。

もにす認定とは

共に進む(ともにすすむ)の真ん中をとった造語であり、企業と障害者が共に明るい未来や社会に進んでいくことを期待して名付けられました。

中小事業主(従業員300人以下)を対象にした制度です、一定の基準を満たす場合障害者雇用促進法第77条に基づいて、厚生労働大臣から「認定」を受けることが出来ます。2022年9月末現在で184の事業主が認定を取得しています。社内の士気をあげたり、公共事業などで優遇を受けられたりする以外に、今後の採用の強みにもなりえるのがもにす認定です。もう少し詳しく見てみましょう。

どんな事業主が認定を受けているか

実は、うち57の事業主が特例子会社に該当します。中小事業主の区分は従業員数によって規定されており、認定の条件は後程解説しますが大企業にとっても特例子会社をもっていれば申請・認定のハードは高くない制度に思えます。業種は製造業やサービス業、情報通信や医療福祉関係まで様々で、第一号の認定事業主がうまれた2020年10月を皮切りに、年間約100事業主のペースで続々と生まれています。

認定のメリット

認定のメリットは厚生労働省のホームページには4点あげられています。

  • 障害者雇用優良中小事業主認定マーク(愛称:もにす)が使用できます
  • 日本制作金融公庫の低利融資対象となります
  • 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワークによる周知広報の対象となります
  • 公共調達等における加点評価を受けられる場合があります

どのメリットも魅力的ですが、やはり採用関連だと1.障害者雇用優良中小事業主認定マーク(愛称:もにす)が使用できる点と3.厚生労働省・都道府県労働局・ハローワークの周知広報の対象となる点ではないでしょうか。社会的認知度を高めることが出来るだけでなく、ハローワークの求人票に認定マークを表示することが出来ますし、ハローワーク以外に一般に求人を広告したり、就労移行支援に配布する求人票や文書にも認定マークを持ちリうことが出来ます。

法定雇用率達成やDE&Iの取り組みについて社内を巻き込んでいかなければならないときなどでも、義務的で後ろ向きな目標を掲げるのではなく、前向きな目標を設定することが出来ることが企業相談窓口を対応している点は多くの企業にとって魅力に感じられる部分でしょう。

認定のための条件

認定基準の詳細は厚生労働省の もにす認定 に関するWEBサイトに全8項目が記載されていますが、ここではポイントになる2項目をご紹介します。

  • 障害者雇用への取組(アウトプット)、取組の成果(アウトカム)、それらの情報開示(ディスクロージャー)の3項目について、各項目ごとの合格最低点に達しつつ、合計で50点中20点(特例子会社は35点)以上を獲得すること
  • 雇用率制度の対象障害者を法定雇用障害者数以上雇用していること(特例子会社制度、関係会社特例制度、関係子会社特例制度又は事業協同組合特例制度を利用している親事業主又は事業協同組合等が申請する場合は、これらの制度を適用せずとも、当該親事業主又は事業協同組合等において雇用率制度の対象障害者を法定雇用障害者数以上に雇用していることが必要です。また、特例子会社が申請する場合は、特例子会社制度又は関係会社特例制度により、親事業主も雇用率制度の対象障害者を法定雇用障害者数以上に雇用していることが必要です。)

〔1.〕の「取組」では、障害者雇用に関する体制づくり、仕事づくり、環境づくりなどが挙げられており、継続して障害者雇用を行っていく上では必要なポイントが並んでいます。キャリア形成についてなどは雇用した方々の継続的な活躍を推進するような項目になっているので、もにす認定取得に向けて励むことは現場の働きやすさや、障事業生産性を高めていくような事業活動の根幹を整えていくような取り組みになるイメージが出来ます。

大切そうだけど今は忙しいからと申請を諦めている企業の皆様へ

このように社内環境整備に力を入れることは、将来の業務負荷を和らげることが出来ると思われます。障害者雇用枠の採用でいえば、付焼刃的に説明会を行ったり、就労移行支援所の個別訪問をするよりも、「求人を適切な場所に掲載さえすれば母集団形成は出来る」という立場の企業になってしまったほうが業務は円滑に進むのではないでしょうか。

たとえ母集団形成が出来すぎたとしても、分母を集める活動に時間・コストを割くよりも、集まった多くの候補者と、適切にマッチングを図るために時間・コストを割くほうが安価でかつ、担当者様の精神衛生上もいい仕事になるのではないかと思います。Kaienでは障害者採用に関するサービス以外に、社内環境整備や制度設計のコンサルティングについてもご相談を受けています。

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